【介護】特定求職者雇用開発助成金とは?コースやもらえる金額を徹底解説!

特定求職者の就職支援制度のひとつである「特定求職者雇用開発助成金」をご存知ですか?

母子家庭や高齢者、障害者などの就職困難者を「特定求職者」と呼びます。

特定求職者を雇用した際に条件を満たせば、雇用した会社に対して支給される助成金です。人不足が叫ばれる介護施設において、活用しない手はないシステムですので、この記事を読んで、ぜひ参考にしてみてください。 

1.特定求職者雇用開発助成金とは

「特定求職者」という言葉をご存知でしょうか。

これは、60歳以上の人や身体障害者・知的障害者、母子家庭の母などのように、就業しようとしても採用が難しい状況の人たちを指します。

こういった方々の採用を加速するべく、ハローワークなどを介して雇用保険の一般被保険者として採用した企業に対して助成金が支給されるという仕組みがあり、それを「特定求職者雇用開発助成金」と呼ばれる助成金です。

この「特定求職者雇用開発助成金」には、求職者の状況によってさまざまなコースが存在しています。

それぞれについて、ご説明していきましょう!

1-1.特定就職困難者コース

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)は、高年齢者や障害者、また母子家庭の母のような就職困難者をハローワークなどの紹介によって、継続的に雇用保険の一般被保険者に該当する労働者として雇用した事業主が受給できる助成金です。

支給要件

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)の受給するためには、以下のような要件を満たしていることが条件となります。

  1. 該当する就職困難者を、ハローワークや民間の職業紹介事業者などの紹介によって雇用すること
  2. 雇用保険一般被保険者に該当する労働者として継続的に雇用すること

ここでいう「職業紹介事業者」に該当する機関は、具体的に挙げると以下のようなものがあります。

  1. ハローワーク(公共職業安定所)
  2. 地方運輸局(船員の場合)
  3. 認められた職業紹介事業者など(有料・無料問わず)

「認められた職業紹介事業者」に該当する機関としては、さらに細分化されるのですが、以下のような機関があります。

  1. 特定地方公共団体
  2. 厚生労働大臣に認可された職業紹介事業者(有料・無料問わず)
  3. 届出済みの無料職業紹介事業者
  4. 無料船員職業紹介事業者(船員の場合)

上記のうち、「無料船員職業紹介事業者(船員の場合)」については注意点があります。

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)を取扱う職業紹介事業者は、次のような条件を全て満たすことが必須です。

  1. 厚生労働省職業安定局長が定めている条件の全てに同意する
  2. 労働局長に申請する
  3. 雇用関係給付金の取扱いをするために交付された標識を事業所内に掲載する

これらの条件を全て満たし職業紹介事業者でなければなりません。

また「継続的に雇用する」という条件についても、決まりがありますので注意しましょう。

ここで明記されている「継続的に」の条件は、雇用した労働者が65歳以上に達するまで継続して雇用することです。

しかも、それに当たる雇用期間が2年以上継続している必要があります。

支給額

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)は、対象となる労働者の働き方や状況、企業規模によって支給額が変わってきます。

大きく分けて、短時間労働者かそうではないかという分類になるので、それぞれについて説明していきましょう。

1.短時間労働者の場合(一週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満)

1)労働者が60歳以上65歳未満の高年齢者や母子家庭の母などの場合

支給額の総額は40万円で、助成対象期間は1年となります。

支給対象期ごとの支給額は、20万円×2期です。

また、中小企業事業主以外の場合の支給額の総額は30万円で、助成対象期間は1年となります。

支給対象期ごとの支給額は、15万円×2期です。

2)身体的・知的・精神障害者(重度障害者などを含む)  

支給額の総額は80万円で、助成対象期間は2年となります。

支給対象期ごとの支給額は、20万円×4期です。

また、中小企業事業主以外の場合の支給額の総額は30万円で、助成対象期間は1年となります。

支給対象期ごとの支給額は、15万円×2期です。

2.短時間労働者以外の場合

1)労働者が60歳以上65歳未満の高年齢者や母子家庭の母などの場合

支給額の総額は60万円で、助成対象期間は1年となります。

支給対象期ごとの支給額は、30万円×2期です。 

また、中小企業事業主以外の場合の支給額の総額は50万円で、助成対象期間は1年となります。

支給対象期ごとの支給額は、25万円×2期です。

2)身体的・知的障害者の場合(重度障害者などを除く)

支給額の総額は120万円で、助成対象期間は 2年となります。

支給対象期ごとの支給額は、25万円×2期です。

また、中小企業事業主以外の場合の支給額の総額は50万円で、助成対象期間は1年となります。

支給対象期ごとの支給額は、 25万円×2期です。

3)重度障害者など(重度の身体的・知的障害者、または45歳以上の身体的・知的障害者。精神障害者)

支給額の総額は240万円で、助成対象期間は3年となります。

支給対象期ごとの支給額は、40万円×6期です。

また、中小企業事業主以外の場合の支給額の総額は100万円で、助成対象期間は1年6ヶ月となります。

支給対象期ごとの支給額は33万円×3期ですが、第3期については支給額が34万円です。

ただし、支給対象期ごとの支給額には、上限が定められている点には注意しておきましょう。

上限は、支給対象期に対象労働者が行った労働に対して支払った賃金額になります。

また、雇入れた事業主が対象労働者について最低賃金法第7条の最低賃金の減額の特例の許可を受けている場合は、条件が変わってくるのでさらに注意が必要です。

この場合、支給対象期について対象労働者に対して支払った賃金に、以下の記した値を乗じた金額となり、先ほど記した支給対象期ごとの支給額が上限となります。

  • 対象となる労働者が重度障害者等以外の場合は、1/3(中小企業事業主以外の場合は1/4)
  • 対象労働者が重度障害者などの場合は、1/2(中小企業事業主以外の場合は1/3) 

1-2.生涯現役コース

特定求職者雇用開発助成金(生涯現役コース)は、雇用した日の満年齢が65歳以上の離職者をハローワークなどの紹介によって、一年以上に渡って継続して雇い入れることが確実になっている労働者(雇用保険の高年齢被保険者)として雇い入れる事業主に対して助成されます。

支給要件

特定求職者雇用開発助成金(生涯現役コース)の受給するためには、以下のような要件を満たしていることが条件となります。

  1. 該当する就職困難者を、ハローワークや民間の職業紹介事業者などの紹介によって雇用すること
  2. 雇用保険一般被保険者に該当する労働者として一年以上継続して雇い入れることが確実だと認められること

ここでいう「職業紹介事業者」に該当する機関は、具体的に挙げると以下のようなものがあります。

  1. ハローワーク(公共職業安定所)
  2. 地方運輸局(船員の場合)
  3. 認められた職業紹介事業者など(有料・無料問わず)

「認められた職業紹介事業者」に該当する機関としては、さらに細分化されるのですが、以下のような機関があります。

  1. 特定地方公共団体
  2. 厚生労働大臣に認可された職業紹介事業者(有料・無料問わず)
  3. 届出済みの無料職業紹介事業者
  4. 無料船員職業紹介事業者(船員の場合)

上記のうち、「無料船員職業紹介事業者(船員の場合)」については注意点があります。

特定求職者雇用開発助成金(生涯現役コース)を取扱う職業紹介事業者は、次のような条件を全て満たすことが必須です。

  1. 厚生労働省職業安定局長が定めている条件の全てに同意する
  2. 労働局長に申請する
  3. 雇用関係給付金の取扱いをするために交付された標識を事業所内に掲載する

これらの条件を全て満たし職業紹介事業者でなければなりません。

支給額

特定求職者雇用開発助成金(生涯現役コース)は、対象となる労働者の働き方や企業規模によって支給額が変わってきます。
大きく分けて、短時間労働者かそうではないかという分類になるので、それぞれについて説明していきましょう。

1.短時間労働者の場合(一週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満)

支給額の総額は50万円で、助成対象期間は1年となります。

支給対象期ごとの支給額は、25万円×2期です。

また、中小企業事業主以外の場合の支給額の総額は40万円で、助成対象期間は1年となります。

支給対象期ごとの支給額は、20万円×2期です。

2.短時間労働者以外の場合

支給額の総額は70万円で、助成対象期間は1年となります。

支給対象期ごとの支給額は、35万円×2期です。

また、中小企業事業主以外の場合の支給額の総額は60万円で、助成対象期間は1年となります。

支給対象期ごとの支給額は、30万円×2期です。

ただし、支給対象期ごとの支給額には、上限が定められている点には注意しておきましょう。

上限は、支給対象期に対象労働者が行った労働に対して支払った賃金額になります。

また、雇入れた事業主が対象労働者について最低賃金法第7条の最低賃金の減額の特例の許可を受けている場合は、条件が変わってくるのでさらに注意が必要です。

この場合、支給対象期について対象労働者に対して支払った賃金に、助成率1/3(中小企業事業主以外の場合は1/4)を乗じた金額となり、先ほど記した支給対象期ごとの支給額が上限となります。

1-3.被災者雇用開発コース

特定求職者雇用開発助成金(被災者雇用開発コース)は、2011年3月11日に発生した東日本大震災の影響による被災離職者や被災地求職者をハローワークなどの紹介によって、一年以上に渡って継続して雇い入れることが確実になっている労働者(雇用保険一般被保険者)として雇い入れる事業主に対して助成されます。

この労働者の労働時間は、1週間の所定労働時間が20時間以上である必要がある点には注意が必要です。

また、特定求職者雇用開発助成金(被災者雇用開発コース)の対象となる労働者を10人以上雇い入れ、なおかつ1年以上に渡って継続的に雇い入れた場合に限り、助成金が上乗せされます。

支給要件

特定求職者雇用開発助成金(被災者雇用開発コース)の受給するためには、以下のような要件を満たしていることが条件となります。

  1. 該当する就職困難者を、ハローワークや民間の職業紹介事業者などの紹介によって雇用すること
  2. 雇用保険一般被保険者に該当する労働者として一年以上継続して雇い入れることが見込まれること

ここでいう「職業紹介事業者」に該当する機関は、具体的に挙げると以下のようなものがあります。

  1. ハローワーク(公共職業安定所)
  2. 地方運輸局(船員の場合)
  3. 認められた職業紹介事業者など(有料・無料問わず)

「認められた職業紹介事業者」に該当する機関としては、さらに細分化されるのですが、以下のような機関があります。

  1. 特定地方公共団体
  2. 厚生労働大臣に認可された職業紹介事業者(有料・無料問わず)
  3. 届出済みの無料職業紹介事業者
  4. 無料船員職業紹介事業者(船員の場合)

上記のうち、「無料船員職業紹介事業者(船員の場合)」については注意点があります。

特定求職者雇用開発助成金(被災者雇用開発コース)を取扱う職業紹介事業者は、次のような条件を全て満たすことが必須です。

  1. 厚生労働省職業安定局長が定めている条件の全てに同意する
  2. 労働局長に申請する
  3. 雇用関係給付金の取扱いをするために交付された標識を事業所内に掲載する

これらの条件を全て満たし職業紹介事業者でなければなりません。

支給額

特定求職者雇用開発助成金(被災者雇用開発コース)は、対象となる労働者の働き方や企業規模によって支給額が変わってきます。

大きく分けて、短時間労働者かそうではないかという分類になるので、それぞれについて説明していきましょう。

1.短時間労働者の場合(一週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満)

支給額の総額は40万円で、助成対象期間は1年となります。

支給対象期ごとの支給額は、20万円×2期です。

また、中小企業事業主以外の場合の支給額の総額は30万円で、助成対象期間は1年となります。

支給対象期ごとの支給額は、15万円×2期です。

2.短時間労働者以外の場合

支給額の総額は60万円で、助成対象期間は1年となります。

支給対象期ごとの支給額は、30万円×2期です。

また、中小企業事業主以外の場合の支給額の総額は50万円で、助成対象期間は1年となります。

支給対象期ごとの支給額は、25万円×2期です。

ただし、支給対象期ごとの支給額には、上限が定められている点には注意しておきましょう。

上限は、支給対象期に対象労働者が行った労働に対して支払った賃金額になります。

また、雇入れた事業主が対象労働者について最低賃金法第7条の最低賃金の減額の特例の許可を受けている場合は、条件が変わってくるのでさらに注意が必要です。

この場合、支給対象期について対象労働者に対して支払った賃金に、助成率1/3(中小企業事業主以外の場合は1/4)を乗じた金額となり、先ほど記した支給対象期ごとの支給額が上限となります。

ちなみに、先ほど述べた助成金の上乗せについては、ひとつの事業主について1回に限り、60万円(中小企業事業主以外の場合は50万円)が支給されます。

1-4.発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース

発達障害者または難治性疾患患者を雇い入れる

 特定求職者雇用開発助成金(発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース)

特定求職者雇用開発助成金(発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース)は、発達障害者または難治性疾患患者をハローワークなどの紹介によって、継続的に雇用保険の一般被保険者に該当する労働者として雇用した事業主が受給できる助成金です。

他の助成金と異なる点として、雇用した労働者に対してどのような配慮が必要なのかといった情報を、事業主が報告する義務が発生します。

また、雇用してから約6ヶ月経った頃に、ハローワーク職員が職場を訪問して確認を実施します。

支給要件

特定求職者雇用開発助成金(発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース)の受給するためには、以下のような要件を満たしていることが条件となります。

  1. 該当する就職困難者を、ハローワークや民間の職業紹介事業者などの紹介によって雇用すること
  2. 雇用保険一般被保険者に該当する労働者として継続的に雇用すること

ここでいう「職業紹介事業者」に該当する機関は、具体的に挙げると以下のようなものがあります。

  1. ハローワーク(公共職業安定所)
  2. 地方運輸局(船員の場合)
  3. 認められた職業紹介事業者など(有料・無料問わず)

「認められた職業紹介事業者」に該当する機関としては、さらに細分化されるのですが、以下のような機関があります。

  1. 特定地方公共団体
  2. 厚生労働大臣に認可された職業紹介事業者(有料・無料問わず)
  3. 届出済みの無料職業紹介事業者
  4. 無料船員職業紹介事業者(船員の場合)

上記のうち、「無料船員職業紹介事業者(船員の場合)」については注意点があります。

特定求職者雇用開発助成金(発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース)を取扱う職業紹介事業者は、次のような条件を全て満たすことが必須です。

  1. 厚生労働省職業安定局長が定めている条件の全てに同意する
  2. 労働局長に申請する
  3. 雇用関係給付金の取扱いをするために交付された標識を事業所内に掲載する

これらの条件を全て満たし職業紹介事業者でなければなりません。

また「継続的に雇用する」という条件についても、決まりがありますので注意しましょう。

ここで明記されている「継続的に」の条件は、雇用した労働者が65歳以上に達するまで継続して雇用することです。

しかも、それに当たる雇用期間が2年以上継続している必要があります。

支給額

特定求職者雇用開発助成金(発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース)は、対象となる労働者の働き方や企業規模によって支給額が変わってきます。

1.短時間労働者の場合(一週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満)

支給額の総額は80万円で、助成対象期間は2年となります。

支給対象期ごとの支給額は、20万円×4期です。

また、中小企業事業主以外の場合の支給額の総額は30万円で、助成対象期間は1年となります。

支給対象期ごとの支給額は、15万円×2期です。

2.短時間労働者以外の場合

支給額の総額は120万円で、助成対象期間は2年となります。

支給対象期ごとの支給額は、30万円×4期です。

また、中小企業事業主以外の場合の支給額の総額は50万円で、助成対象期間は1年となります。

支給対象期ごとの支給額は、25万円×2期です。

ただし、支給対象期ごとの支給額には、上限が定められている点には注意しておきましょう。

上限は、支給対象期に対象労働者が行った労働に対して支払った賃金額になります。

また、雇入れた事業主が対象労働者について最低賃金法第7条の最低賃金の減額の特例の許可を受けている場合は、条件が変わってくるのでさらに注意が必要です。

この場合、支給対象期について対象労働者に対して支払った賃金に、助成率1/3(中小企業事業主以外の場合は1/4)を乗じた金額となり、先ほど記した支給対象期ごとの支給額が上限となります。

1-5.三年以内既卒者等採用定着コース

特定求職者雇用開発助成金(三年以内既卒者等採用定着コース)は、学校などの既卒者が応募できる「新卒求人」の申込みや募集を実施し、新規学卒枠で初めて採用してから一定期間定着させた事業主が受給できる助成金です。

これには、学校などの既卒者や中退者の応募機会を拡大したり採用や定着を図ったりする目的があります。

ここでいう「新卒求人」は、小学校や幼稚園を除く学校などにおいて、卒業や修了が見込まれる者(学校卒業見込者など)に対して出される求人を指します。

この場合、高校中退者でも応募できる「高卒求人」は除外される点には注意が必要です。

支給要件

特定求職者雇用開発助成金(三年以内既卒者等採用定着コース)の受給するためには、以下のような要件を満たしていることが条件となります。

大きく分けて、既卒者等コースと高校中退者コースのふたつに分類されるので、それぞれについて見ていきましょう。

1)既卒者等コースの条件

  1. 少なくとも卒業や中退をしてから3年以内の既卒者や中退者でも応募可能な「新卒求人」の申込みや募集を実施し、応募してきた既卒者・中退者を「通常の労働者」として雇い入れたこと
  2. これまで既卒者などを新卒枠で雇用していないこと

ここでいう「通常の労働者」は、直接雇用で雇用期間に定めがなく、社内にいる他の雇用形態の労働者(役員を除く)よりも重い責任を負いながら業務に従事している労働者のことを意味しています。

2)高校中退者コースの条件 

  1. 少なくとも中退してから3年以内の高校中退者でも応募可能な「高卒求人」の申込みや募集を実施し、応募してきた高校中退者を「通常の労働者」として雇い入れたこと
  2. これまで高校中退者を高卒枠で雇用していないこと

支給額

特定求職者雇用開発助成金(三年以内既卒者等採用定着コース)は、対象となる労働者の働き方や企業規模によって支給額が変わってきます。

対象者を雇用してから一定の要件を満たした場合に、企業区分・助成金コース・定着期間に応じて、それぞれのコースでひとりを上限として支給されるものです。

1.企業区分が「中小企業」の場合

既卒者等コースで、定着期間が1年で50万円、2年で10万円、3年で10万円が支給されます。

高卒中退者コースなら、定着期間が1年で60万円、2年で10万円、3年で10万円です。

2.企業区分が「それ以外の企業」の場合

既卒者等コースで、定着期間が1年で35万円が支給されます。

高卒中退者コースなら、定着期間が1年で40万円です。

上記、いずれの場合でも、若者雇用促進法に基づく認定企業(ユースエール認定企業)であれば、定着期間1年で支給される金額に10万円が加算されます。  

1-6.障害者初回雇用コース

特定求職者雇用開発助成金(障害者初回雇用コース)は、障害者を雇用したことがない「中小企業」が初めて障害者を雇い入れ、法定雇用率を達成した場合に受給できる助成金です。

これは、中小企業での障害者雇用を促進することを目的にしています。

ここでいう「中小企業」とは、障害者の雇用義務制度の対象となっている、労働者数45.5人〜300人規模の中小企業を指しています。

支給要件

特定求職者雇用開発助成金(障害者初回雇用コース)の受給するためには、以下のような要件を満たしていることが条件となります。

  1. 支給申請をおこなった時点で、雇用している常用労働者数が45.5人〜300人規模の事業主であること
  2. 初めて、対象労働者(身体障害者や知的障害者、精神障害者)を雇用し、そのひとり目の雇用開始日の翌日から起算して3ヶ月後のその日までの間に、法定雇用障害者数(障害者雇用促進法第43条11項に規定されている)以上となり、法定雇用率を達成していること
  3. ひとり目の支給対象者の雇用開始日の前日までの過去3年の間に、対象労働者の雇用実績がない事業主であること

対象労働者を、1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満である「短時間労働者」として雇用する場合は、ふたりでひとり分としてカウントします。

仮に短時間労働者として雇用する者が、重度身体障害者や重度知的障害者だった場合は、ひとりでひとり分のカウントでOKです。

支給額

特定求職者雇用開発助成金(障害者初回雇用コース)は、いろいろな条件によって変動することなく、一律120万円が支給されます。

1-7.安定雇用実現コース

特定求職者雇用開発助成金(安定雇用実現コース)は、就職氷河期に正規雇用のタイミングを逃してしまい、十分なキャリア形成がなされなかったために正規雇用が難しい者をハローワークなどの紹介によって、正規雇用の労働者として雇用した事業主が受給できる助成金です。

支給要件

雇用開始日において、以下に記した全ての条件に該当する労働者を、ハローワークや民間の職業紹介事業者などの紹介により、「正規雇用労働者」として雇用することが条件となります。

  1. 雇用開始日の時点で、満年齢が35歳以上60歳未満方
  2. 正規雇用労働者として雇用された期間が通算1年以下であり、雇用開始日の前日から起算して過去1年間に正規雇用労働者として雇用されていない方
  3. ハローワークや民間の職業紹介事業者などから紹介された時点で失業状態にある方(雇用保険の一般被保険者として就労している場合は、失業状態とは認められません)
  4. 正規雇用労働者として雇用されたいと希望している方

ここでいう「職業紹介事業者」に該当する機関は、具体的に挙げると以下のようなものがあります。

  1. ハローワーク(公共職業安定所)
  2. 地方運輸局(船員の場合)
  3. 認められた職業紹介事業者など(有料・無料問わず)

「認められた職業紹介事業者」に該当する機関としては、さらに細分化されるのですが、以下のような機関があります。

  1. 特定地方公共団体
  2. 厚生労働大臣に認可された職業紹介事業者(有料・無料問わず)
  3. 届出済みの無料職業紹介事業者
  4. 無料船員職業紹介事業者(船員の場合)

上記のうち、「無料船員職業紹介事業者(船員の場合)」については注意点があります。

特定求職者雇用開発助成金(安定雇用実現コース)を取扱う職業紹介事業者は、次のような条件を全て満たすことが必須です。

  1. 厚生労働省職業安定局長が定めている条件の全てに同意する
  2. 労働局長に申請する
  3. 雇用関係給付金の取扱いをするために交付された標識を事業所内に掲載する

これらの条件を全て満たし職業紹介事業者でなければなりません。

また、雇用した労働者の雇用状況など、雇用管理に関するさまざまな事項を支給申請と同時に報告する必要があることを覚えておきましょう。 

ちなみに、ここでいう「正規雇用労働者」とは、以下の全ての条件に該当する労働者を指します。

  1. 契約期間の定めがない労働契約を締結している労働者であること
  2. 同じ事業主に雇われている他の労働者の所定労働時間(週30時間以上)と同じ所定労働時間で勤務する労働者であること
  3. 同じ事業主に雇われている他の労働者に対して適用されている、就業規則等に規定されている労働条件(賃金の算定方法や支給形態、賞与や退職金、休日や定期的な昇給・昇格といった者)について、長期雇用を前提とした待遇が適用されている労働者であること

ただし、この場合は短時間労働者(1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満)は除外されるので注意しましょう。

また、社内規定や就業規則等で、正規雇用労働者について定められている必要があります。

支給額

特定求職者雇用開発助成金(安定雇用実現コース)は、対象期間を6ヶ月ごとの2期に分けて、1期ごとに一定額が支給されるものです。

支給額は企業規模に応じて変動します。

1.大企業の場合

支給額の総額は50万円で、助成対象期間は1年となります。

支給対象期ごとの支給額は、25万円×2期です。

2.中小企業の場合

支給額の総額は60万円で、助成対象期間は1年となります。

支給対象期ごとの支給額は、30万円×2期です。

助成対象期ごとの支給額は、その期の間に対象となる労働者がおこなった労働の対価として支払った賃金額が上限となります。

また、雇用事業主が対象の労働者について、最低賃金法第7条の最低賃金の減額の特例の許可を受けている場合に限り、対象労働者について支払った賃金に助成率3/1(中小企業事業主以外の場合は1/4)を乗じた金額となります。

1-8.生活保護受給者等雇用開発コース

特定求職者雇用開発助成金(生活保護受給者等雇用開発コース)は、ハローワークや地方公共団体から、3ヶ月以上支援を受けている生活保護受給者や生活困窮者を、ハローワークなどの紹介により雇用保険の一般被保険者として継続雇用した事業主が受給できる助成金です。

支給要件

特定求職者雇用開発助成金(生活保護受給者等雇用開発コース)の受給するためには、以下のような要件を満たしていることが条件となります。

  • 該当する就職困難者を、ハローワークや民間の職業紹介事業者などの紹介によって雇用すること
  • 雇用保険一般被保険者に該当する労働者として継続的に雇用すること

ここでいう「職業紹介事業者」に該当する機関は、具体的に挙げると以下のようなものがあります。

  1. ハローワーク(公共職業安定所)
  2. 地方運輸局(船員の場合)
  3. 認められた職業紹介事業者など(有料・無料問わず)

「認められた職業紹介事業者」に該当する機関としては、さらに細分化されるのですが、以下のような機関があります。

  1. 特定地方公共団体
  2. 厚生労働大臣に認可された職業紹介事業者(有料・無料問わず)
  3. 届出済みの無料職業紹介事業者
  4. 無料船員職業紹介事業者(船員の場合)

上記のうち、「無料船員職業紹介事業者(船員の場合)」については注意点があります。

特定求職者雇用開発助成金(生活保護受給者等雇用開発コース)を取扱う職業紹介事業者は、次のような条件を全て満たすことが必須です。

  1. 厚生労働省職業安定局長が定めている条件の全てに同意する
  2. 労働局長に申請する
  3. 雇用関係給付金の取扱いをするために交付された標識を事業所内に掲載する

これらの条件を全て満たし職業紹介事業者でなければなりません。

また「継続的に雇用する」という条件についても、決まりがありますので注意しましょう。

ここで明記されている「継続的に」の条件は、雇用した労働者が65歳以上に達するまで継続して雇用することです。

しかも、それに当たる雇用期間が2年以上継続している必要があります。

支給額

特定求職者雇用開発助成金(生活保護受給者等雇用開発コース)は、対象期間を6ヶ月ごとの2期に分けて、1期ごとに一定額が支給されるものです。

支給額は支給対象者の状況と企業規模に応じて変動します。

1.短時間労働者の場合(一週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満)

支給額の総額は40万円で、助成対象期間は1年となります。

支給対象期ごとの支給額は、20万円×2期です。

また、中小企業事業主以外の場合の支給額の総額は30万円で、助成対象期間は1年となります。

支給対象期ごとの支給額は、15万円×2期です。

2.短時間労働者以外の場合

支給額の総額は60万円で、助成対象期間は1年となります。

支給対象期ごとの支給額は、30万円×2期です。

また、中小企業事業主以外の場合の支給額の総額は50万円で、助成対象期間は1年となります。

支給対象期ごとの支給額は、25万円×2期です。

助成対象期ごとの支給額は、その期の間に対象となる労働者がおこなった労働の対価として支払った賃金額が上限となります。

また、支給対象期の途中で対象労働者の雇用をやめた場合や、短時間労働者に対して支払った実際の賃金が支給額(中小企業向け)を下回る場合については、助成金の支給はされません。

雇用をやめる理由として、対象労働者責任による解雇や対象労働者の死亡、天災などによる事業継続不可能状態による解雇については、その条件から外れます。

しかし、対象労働者を事業主の都合で離職させた場合については、そのあと3年間は特定求職者雇用開発助成金(生活保護受給者等雇用開発コース)が受給できなくなりますのでご注意ください。

それと、雇用事業主が対象の労働者について、最低賃金法第7条の最低賃金の減額の特例の許可を受けている場合に限り、対象労働者について支払った賃金に助成率3/1(中小企業事業主以外の場合は1/4)を乗じた金額となります。

2.特定求職者雇用開発補助金はいくらもらえる?

これまで、特定求職者雇用開発助成金に関する詳細な説明をしてきました。

企業規模や勤務時間などによって違いはあるものの、主な特定求職者に対する助成金を抜粋して一覧にまとめたものが以下の通りです。

中小企業事業主 中小企業事業主以外
高年齢者(60歳以上65歳未満) 60万円 50万円
母子家庭の母 60万円 50万円
重度障害者等を除く身体・知的障害者 120万円 50万円
重度障害者等 240万円 100万円

 

このような助成金を支給することで、特定求職者を少しでも減らそうとすることが、特定求職者雇用開発助成金の目的なのです。

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3.特定求職者雇用開発助成金の申請方法

特定求職者を雇用したあと、その条件を満たしていれば労務局から申請書類が届きます。

ここに同封されている書類を揃えて、労務局にある助成金センターに提出するだけです。

申請してから約1ヶ月ほどで支給決定通知が郵送されてきます。

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)の場合を例にすると、以下のような書類が郵送されてくるのです。

  1. 「特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者雇用開発助成金)の申請にあたって」
  2. 「特定求職者雇用開発助成金」についてのお知らせ
  3. 「特定求職困難者雇用開発助成金 第1期 支給申請に係る添付書類について(チェックリスト)【H28.5】」
  4. 「特定求職困難者雇用開発助成金 第1期 支給申請書」
  5. 「支給要件確認申立書 (特定求職者雇用開発助成金)」
  6. 「対象労働者雇用状況等申立書(特定就職困難者雇用開発助成金)」
  7. 「支払方法・受取人住所届」
  8. 「特定求職者雇用開発助成金を申請される事業主の皆様へ」
  9. 「~助成金の正しいご活用を!~」

注意点としては、申請期限があるということです。

郵送されてきた中に、申請期限が記載されているものがありますので、しっかりと確認しておきましょう。

4.まとめ

今回は、特定求職者雇用開発助成金の各コースについてご説明してきました。

支給条件をしっかりと理解し、特定求職者に対する就職支援を無理なくしていきましょう。

自分の会社がどの助成金に該当しているのかを正しく把握し、期限内に申請することで、予想しているよりも多額の助成金を受け取ることができるかもしれません。

ぜひ一度、特定求職者雇用開発助成金についての問い合わせを労務局にしてみることをオススメします。

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