介護タクシー開業の手順と要件、必要資金やメリットデメリットを紹介!

介護タクシー

「介護タクシーを開業したいけれど、必要手順や資金、メリットデメリットが知りたい」

と思われている方に、介護タクシーを開業する上でどんなメリットがあるのか、デメリットは何なのかをお伝えいたします。

また開業に必要な要件や手順、最終的にどれくらいの資金が必要なのかご紹介いたしますので、是非参考にしてみてください。

この記事を読めば介護タクシー開業までの道のりが分かり、事前準備に大きな手助けになるはずです。

介護タクシーとは?

介護タクシー

介護タクシーとは、障害のある方や一人での移動が困難な高齢者の方をサポートするためのサービスです。

また正式名称として、一般乗用旅客自動車運送業(福祉輸送限定)となっており、一般乗用旅客自動車運送業(福祉輸送限定)の許可を取得した車両が、一般的に介護タクシーよ呼ばれていますね。

国家資格は必要なく、代わりに国土交通省各運送局の事業許可を取得する必要があります。

介護タクシー開業によるメリットとデメリットを知っておこう!

メリット デメリット

介護タクシー開業には、メリットとデメリットがございますので、この機会に知っておきましょう。

メリットデメリットを知ることで、開業する際にあらかじめ予想を立てられますので、有利に行動することができます。

【介護タクシー開業のメリット】

  • 経験が無くてもすぐに始められる。
  • 完全予約制にすることでコスト削減。
  • 利用者と接する機会が多く、リピート率が高い。
  • 社会に貢献することができる。

【介護委タクシー開業によるデメリット】

  • 運転中や介護中に他の依頼を受けられない可能性がある。
  • 車両の故障や事故に細心の注意が必要。
  • スケジュール調整上のトラブルや機会損失が度々起こる可能性がある。
  • 同日に依頼が重なり、片方を断るアクシデントに対処しなければいけない。

以上のメリットデメリットがありますが、デメリットは事前に注意していれば問題ありません。

開業したばかりの時には、アクシデントが起こらないように、介護タクシー開業のメリットとデメリットを覚えておきましょう。

介護タクシー開業に必要な要件はこの3つ!

必要な要件

介護タクシー開業に必要な要件がいくつかあります。

以下の3つの要件を満たすことで、開業することができますので、覚えておきましょう。

  • ①人的要件
  • ②設備要件
  • ③資金要件

簡単に1つずつ解説していきますので、是非参考にしてみてくさだい。

①人的要件

まず初めに人的要件を満たす必要がありますね。

人的要件には、以下の3つがございます。

  1. 普通2種免許を保有しているドライバーがいること。
  2. 運行管理者、指導主任者がいる。
  3. 整備管理者がいること。

以上の要件を満たす人員を確保して、介護タクシー開業を目指しましょう。

②設備要件

次に設備要件を満たす必要がありますね。

設備要件には、以下の3つがございます。

  1. 土地、建物の使用権限が3年以上ある営業所、事務所および休憩・仮眠室があること。
  2. 自動車の車庫が原則として営業所に併設されており、車両の長さ、幅+1m以上のスペースがある車庫でなおかつ、点検、整備及び清掃のための水道等の清掃施設がある設備で、使用権限が3年以上である。
  3. 1両以上の車両を有し、リフト、スロープ、寝台等がある福祉車両である必要があり、運賃をメーター制にする場合は、タクシーメーターを設置していること。

以上の要件を満たす設備を用意することで、介護タクシー事業を始める準備ができます。

③資金要件

最後に資金の要件を満たす必要がありますね。

資金要件には以下のものがございます。

  1. 開業資金全額の50%と開業資金+2か月分の運転資金、そのどちらか多い方を金額以上の自己資金で保有していること。

以上の要件を満たす必要があるので、資金要件を満たし、介護タクシーを開業しましょう。

介護タクシーを開業するために必要な手順はこれ!

介護タクシー

介護タクシー開業するために必要な手順がいくつかあります。

事業を開始するには、流れとしまして以下の9つがありますので、是非参考にしてみてください。

  • ①資格と免許を取得する
  • ②介護タクシーの車両を用意
  • ③人員の確保
  • ④休憩施設の準備
  • ⑤任意保険の加入
  • ⑥開業許可の取得
  • ⑦法人の設立
  • ⑧法令試験の実施
  • ⑨運搬開始届を提出

以上の9つの項目を1つずつわかりやすく解説していきます。

①資格と免許を取得する

介護タクシーを開業するためには、車を運転できる必要がありますよね。

資格としまして、自動車二種免許を取得しましょう

また乗降中に介護が必要な場面が多いため、介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級以上)の取得もしておくといいですね。

介護タクシーを開業するので、車の運転は必須条件です。

②介護タクシーの車両を用意

介護タクシー開業には、もちろん車両が必要になりますね。

必要な車両は、福祉車両または一般車両が1台以上になります。

福祉車両を使用する場合は、資格保有者がいない場合でも許可が下りますが、一般車の場合は介護福祉士、訪問介護員、居宅介護従業員、ケア輸送サービス授業者研修などの有資格者が必要となりますので注意しましょう。

また福祉車両であれば、車椅子を利用したまま乗り降りできるリフトや、他にも体を横にしたまま移動できるストレッチャーなどにも対応していますので、こだわりや資金面での問題が無ければ、一般車両ではなく、福祉車両をオススメいたします。

介護タクシー開業には車両が必須です。

③人員の確保

介護タクシー開業には、複数人の人員が必要になりますね。

まずは介護タクシーを運転することができる人員、『二種免許保有者』を確保しましょう。

他にも運行管理者、整備管理者、指導主任者、苦情処理責任者の人員を雇い入れる必要があります。

介護タクシーを開業するならば、以上の人員を確保しましょう。

④休憩施設の準備

介護タクシーを開業するためには、人員の休憩施設が必要になりますね。

休憩施設は、自宅やマンションでも問題ありません。

仮眠や休憩の取れる要件を満たしており、また営業所と車庫から2kmであること、3年以上の使用権限に問題が無ければ、申請することが可能となっております。

なので、介護タクシーを開業するならば、人員の休憩施設も用意しましょう。

⑤任意保険の加入

介護タクシーを開業する場合、任意保険に加入しましょう。

車両の任意保険の加入は義務となりますので、注意してください。

任意保険の要件としまして、最低対人1名ににつき8,000万円以上かつ、最低200万円以上の対物保障に加入する必要があります。

介護タクシー業を始めるのならば、車両の任意保険は義務ですので必ず加入しましょう。

⑥開業許可の取得

介護タクシーの開業許可を得るためには、上記の①~⑤に加え、他にもいくつか条件を満たす必要があります。

以下の内容も開業許可に必須ですので、注意してください。

【欠格】

犯罪歴や過去2年以上免停になっておらず、欠格が見つかった場合はその人員を役員から外して申請する。

【営業所】

自宅やマンションの一室でも要件を満たせば利用可能です。

  • 営業区域内に事務所があること。
  • 土地建物に法令が抵触していない。
  • 3年以上使用権限があること。
  • 事業規模が適切であるか。

営業所には、以上の項目を満たす必要があります。

【車両保管場所】

営業所から直線距離2km以内であることや、介護タクシー専用のスペースであることなどの条件を満たす必要がありますので注意してください。

【資金】

所要金額の50%以上かつ、事業開始当初に要する資金の100%以上の自己資金が必要となります。

また1年間の予想を立てて、銀行の残高証明書と共に提出する必要があるので注意しましょう。

以上が開業に必要の条件となります。

⑦法人の設立

介護タクシーの開業には、法人を設立する必要がありますね。

定款の作成時には、目的として『介護タクシー事業を始める』旨の記載が必須になりますので注意しましょう。

法人には、株式会社、合同会社、NPO法人、社会福祉法人、医療福祉法人などがあります。

介護タクシー業を始めるならば、まずは法人を設立しましょう。

⑧法令試験の実施

介護タクシーを開業するためには、法令試験を実施する必要があります。

法令試験では、40分間で30問の問題を8割回答することで合格となり、それほど難しいものではございません。

運送六法等を持ち込み、〇×問題に回答していくというものになります。

あらかじめ予習などをして法令試験を実施しましょう。

⑨運搬開始届を提出

介護タクシー開業の準備ができましたら、運送開始届を提出しましょう。

開業許可が出てから6ヶ月以内に提出しなければ失効してしまうこともあるので注意してください。

また書類作成には時間がかかり、複雑ということもあるので、場合によってはプロの行政書士に任せるというのも検討してみることも視野に入れましょう。

運送開始届を提出すれば、介護タクシー開業です。

介護タクシー開業に必要な資金は以下の通り!

必要資金

介護タクシー開業には当然資金が必要になりますよね。

介護タクシー開業にはどれくらいの資金がかかるのか、おおよその金額をお伝えいたします。

必要な資金は、以下の通りとなりますので、参考にしてみてください。

  • 車両にかかる費用が約200万円前後。
  • 営業所および休憩所を併用した場合の家賃約10万円ほど。
  • 車両駐車場に約5,000円。
  • 介護職員初任者研修(任意)15万円前後。
  • 管理費約20万円(設備、消耗品、事務費用、通信費など)
  • 運輸局登録免許税に3万円。
  • 資格取得費用(二種免許)20万円前後。
  • 資格取得費用(ヘルパー)10万円~20万円ほど。
  • 法人取得費用約数万円~30万円前後。

以上が、基本的に介護タクシーを開業するためにかかる費用となります。

場合によって変動いたしますが、おおよそ300万円ほどあれば介護タクシーを開業できますね。

介護タクシー開業に向けて、是非300万円ほどの資金を集めてみてください。

まとめ

以上が、介護タクシー開業についての記事でした。

この記事で介護タクシー開業のメリットデメリットはもちろんのこと、必要な要件や手順を理解できたと思います。

資金もおおよそ300万円なので、頑張れば手の届く範囲ですね。

介護タクシーを開業しようと思っている方は是非この記事を参考にしていただければありがたいです。