人材確保等支援助成金とは?介護事業に役立つ助成金の貰い方を紹介!
人材確保等支援助成金と聞いても、あまりぱっとしませんよね?
しかし、事業者であるのならば、知らなければ大損してしまいます。
条件を満たせば数百万円も支給されるので、この機会に是非確認してみてください。
また介護事業者であれば、制度によってはおおよそ200万円~300万円支給されます。
人件費の補填や施設の運営費に使えることはもちろん、助成金で施設の改修や、介護用品である車椅子、スロープ、歩行器などを買い揃えることも可能ですね。
初期費用が何かとかかる介護事業ですが、人材確保等支援助成金を貰うことで、今後の運営の助けになること間違いなしです。
そして今回、人材確保等支援助成金にある7つのコースの説明と、介護事業者に役立つ介護・保育労働者雇用管理制度助成コースについてピックアップしました。
1.人材確保等支援助成金は平均239万円もらえる!
人材確保等支援助成金の平均金額は、約239万円です.
2018年度には約3,000件助成金が発生しており、全てが平均値である239万とまでは行かなくとも、かなりの額が支給されますね。
人材確保等支援助成金の各コースから確認いたしますと、最低助成金額は約40万円、最高助成金額は約1,000万円です。
前者は働き方改革支援コースでして、計画達成助成だけを貰った場合の金額であり、後者は中小企業団体助成コースで、大規模認定組合等(構成中小企業者数500以上)の場合になり、必ずしも平均値である239万円を貰えるわけではございませんので、ご注意ください。
しかしながら、人材確保支援助成金の平均金額が約239万円というのは確かですので、助成金額の低いコースでも、最大支給額が支払われている可能性は高いと思われます。
介護事業の貰える助成金は最大で平均額と同等かそれ以上
介護事業者が助成金を貰う場合、金額は平均値である239万円と同等か、それを上回ります。
理由としましては、介護関係のコースである2種類、介護福祉機器助成コースは最大支給額が300万円、介護・保育労働者雇用管理制度助成コースの最大支給額が230万円だからですね。
更に、平均値は2018年のものであり、2019年には働き方改革支援コースが導入されたことで、おそらく2020年は介護・保育労働者雇用管理制度助成コースも平均助成額を上回る可能性が高いです。
また助成金は借金ではないので、返済する必要もありません。
なので、介護事業者が助成金を貰う場合、平均値と同等かそれ以上の額が支給される可能性があるので、間違いなく大きな助けになることでしょう。
2.人材確保等支援助成金には7つのコースがある
人材確保等支援助成金コースには、現在(2020年1月30日)7つのコースがあります。
雇用管理制度助成コース
人事評価改善等助成コース
介護福祉機器助成コース
介護・保育労働者雇用管理制度助成コース
設備改善等支援コース
中小企業団体助成コース
働き方改革支援コース
それぞれ条件が違い、貰える助成金額にも差がありますが、どのコースでも助成金を得られれば大きな助けになりますよね。
何か新しい機材や内装の変更、新事業への支度金など、助成金があれば様々な試みができます。
そこで今回、7つあるコースを端的にご紹介いたしますので、是非ご覧ください。
2-1.雇用管理制度助成コース
事業主が新たに雇用管理制度(評価・処遇制度、研修制度、 健康づくり制度、メンター制度、短時間正社員制度(保育事業主 のみ)の導入・実施を行い、雇用管理制度の適切な運用を経て、額業員の離職率の低下が図られた場合に目標達成助成が支給されるコースとなりますね。
助成金額は57万円となり、生産性要件を満たした場合は最大で72万円支給されます。
2-2.人事評価改善等助成コース
事業主が生産性向上のための能力評価を含む人事評価制度と、2%以上の賃金のアップを含む賃金制度(以下「人事評価制 度等」と表記します)を整備し、実施した場合に制度整備助成が支給されます。
また人事評価制度等の適切な運用を経て、生産性の向上及び労働者の賃金の2%以上のアップや、離職率の低下に関する目標をす べて達成した場合、目標達成助成が支給される制度となりますね。
助成金額は50万円となり、目標達成の場合は80万円支給されますので、最大130万円支給されます。
2-3.介護福祉機器助成コース
介護事業主が、介護労働者の身体的負担を軽減するために、新たに介護福祉機器を導入し、 適切な運用を行うことにより労働環境の改善がみられた場合、機器導入助成(介護福祉機 器の導入費用の25%)が支給されます。
また介護福祉機器の適切な運用を経て従業員の離職率の低下が図られた場合、目標達成助成(介護福祉機器の導入費用の20%、または生産性要件を満たした場合は35%)をが支給される制度ですね。
機器導入助成が25%となっており、目標達成助成は20%、または生産性要件を満たした場合は35%と変わりましてどちらも上限金額が150万円となっております。
つまり、最大で300万円の助成金額が支給されるという訳ですね。
2-4.介護・保育労働者雇用管理制度助成コース
介護事業主または保育事業主が、介護労働者または保育労働者の職場への定着の促進に資する賃金制度の整備(職務、職責、職能、資格、勤続年数等に応じて階層的に定めるものの整備)を行った場合、制度整備助成が支給されます。
また賃金制度の適切な運用を経て、介護労働者または保育労働者の離職率に関する目標を達成した場合、計画期間終了1年経過後に目標達成助成第1回が支給され、計画期間終了3年経過後に、目標達成助成第2回が支給される制度となりますね。
制度整備助成が50万円であり、目標達成助成第1回目が57万円(生産性要件を満たした場合は72万円)支給され、目標達成助成第2回目は85.5万円(生産性要件を満たした場合は108万円)支給されます。
なので、全ての助成金を満額受け取った場合、最大で230万円支給されるという訳ですね。
2-5.設備改善等支援コース
生産性向上に資する設備等への投資を通じて生産性向上、雇用管理改善(賃金アップ等)を図 る事業主に対して計画達成助成等を支給される制度ですね。
計画期間 | 設備導入費用 | 計画達成助成
(1回目) |
計画達成助成
(2回目) |
目標達成助成 | 合計 |
1年コース | 175万円以上
1,000万円未満 |
50万円 | 無し | 80万円 | 130万円 |
3年コース | 240万円以上
5,000万円未満 |
50万円 | 50万円 | 80万円 | 180万円 |
5,000万円以上
1億未満 |
50万円 | 75万円 | 100万円 | 225万円 | |
1億円以上 | 100万円 | 150万円 | 200万円 | 450万円 |
3年コースでなおかつ設備導入費用が1億円を超える場合、最大で450万円の助成金が支給されます。
2-6.中小企業団体助成コース
中小企業者を構成員とする事業協同組合等が、傘下の事業者の人材確保や従業員の職場定着を支援するために一定の事業(中小企業労働環境向上事業)を行った場合、それに要した費用の 3分の2の額を助成される制度ですね。
認定組合等の区分 | 上限額 |
大規模認定組合等(構成中小企業者数500以上) | 1,000万円 |
中規模認定組合等(構成中小企業者数100以上500未満) | 800万円 |
小規模認定組合等(構成中小企業者数100未満) | 600万円 |
認定組合等の区分が大規模認定組合等(構成中小企業者数500以上)である場合、支給される助成金は、最大1,000万円となります。
2-7.働き方改革支援コース
働き方改革に取り組む上で、人材を確保することが必要な中小企業が、新たに労働者を雇い入れ、一定の雇用管理改善を図る場合に助成されるようですね。
まず助成を受けるためには、新たに労働者を雇い入れることや、雇用管理改善の取組(人材配置 の変更、労働者の負担軽減等)に係る雇用管理改善計画を作成し、都道府県労働局の認定を 受ける必要があるようです。
また認定された雇用管理改善計画を1年間取り組んだ後、各種要件を満たせば「計画達成助成」が、計画開始から3年経過後に生産性要件等を満たせば「目標達成助成」が支給される制度のようですね。
労働者区分 | 計画達成助成 | 目標達成助成 | 合計 |
雇い入れた労働者1人当たり | 60万円 | 15万円 | 75万円 |
短時間労働者1人当たり | 40万円 | 10万円 | 50万円 |
上にある図の短時間労働者とは、週の所定労働時間が20時間以上30時間未満の労働者のことのようです。
通常の雇い入れた労働者であれば、助成金が最大で75万円ほど支給されるようですね。
3.介護・保育労働者雇用管理制度助成金を貰う手順をご紹介!
数ある人材確保等支援助成金の中から、今回介護・保育労働者雇用管理制度助成金を貰う手順についてご紹介いたしますね。
この手順をご確認されることで、介護事業について現在着手している方、また興味がある方が助成金を貰う手助けになれば幸いです。
そして、助成金を貰えるまでの流れから、実際に貰える支給金額、最後に主な受給要件についてご説明いたしますので、是非参考にしてみてください。
それでは、介護・保育労働者雇用管理制度助成金を貰う手順についてご紹介いたします。
3-1.助成金を貰うまでの流れは以下の通り!
介護・保育労働者雇用管理制度助成金が支給されるまでの簡単な流れを、端的にご紹介いたします。
- 介護・保育賃金制度整備計画の作成・提出。
↓ - 認定を受けた介護・保育賃金制度整備計画に基づく賃金制度の整備。
↓ - 賃金制度の実施。
↓ - 制度整備助成の支給申請。
↓ - 目標達成助成(第1回)の支給申請。
↓ - 目標達成助成(第2回)の支給申請。
↓ - 助成金の支給。
概ねこの7通りの流れになっていますので、介護・保育労働者雇用管理制度助成金を申し込む方は、是非参考にしてみて下さいね。
3-2.助成金額はこちら!
介護・保育労働者雇用管理制度助成金で支給される助成金額は、以下の図の通りになっております。
要件区分 | 制度整備助成 | 目標達成助成
第1回 |
目標達成助成
第2回 |
合計 |
通常 | 50万円 | 57万円 | 85.5万円 | 192.5万円 |
生産性要件を満たした場合 | 50万円 | 72万円 | 108万円 | 230万円 |
ちなみに生産性要件とは、助成金の支給申請を行う直近の会計年度における「生産性」が、 その3年度前に比べて6%以上伸びていることまたは、 その3年度前に比べて1%以上(6%未満)伸びていることだそうですね。
介護・保育労働者雇用管理制度助成金は、生産性要件を満たした場合に最大で230万円支給されますので、目標達成に向けてチャレンジしてみるのも、ありだと思います。
3-3.主な受給要件は以下の通り!
受給するためには、介護・保育労働者雇用管理制度助成コースの場合は介護・保育事業主が、次の措置を実施することが必要です。
【制度整備助成】
(1)介護・保育賃金制度整備計画の認定。
介護・保育賃金制度整備計画を作成し、管轄の労働局の認定を受けることが必要ですね。
(2)賃金制度の整備・実施。
(1)の介護・保育賃金制度整備計画に基づき、当該介護・保育賃金制度整備計画の実施期間内に、賃金制度を整備・実施することが必要です。
【目標達成助成(第1回)】
【制度整備助成】(1)、(2)の実施の結果、介護・保育賃金制度整備計画期間の終了から1年経過するまでの期間の離職率(以下、「評価時離職率(第1回)」という)を、介護・保育賃金制度整備計画を提出する前1年間の離職率よりも、下表に掲げる必要があるそうですね。
目標値(※)以上に低下させること、ただし離職率は30%を上限とした場合になります。
※低下させる離職率の目標値は、対象事業所における雇用保険一般被保険者数に応じて変わります。
対象事業所における雇用保険一般被保険者の人数区分 | 1~9人 | 10~29人 | 30~99人 | 100~299人 | 300人以上 |
低下させる離職率(目標値) | 15% | 10% | 7% | 5% | 3% |
【目標達成助成(第2回)】
【目標達成助成(第1回)】の実施の結果、介護・保育賃金制度整備計画期間の終了から3年経過するまでの期間の離職率が、評価時離職率(第1回)を維持していること、ただし離職率は20%が上限のようですね。
以上が、介護・保育労働者雇用管理制度助成コースの主な受給要件になります。
4.助成金を貰う上での注意点を紹介
最後に、助成金を貰う上でいくつかの注意点がございますので、今回それを数点ご紹介いたします。
- 助成金は国の予算の範囲でおこなわれるため、国の予算が超える場合は、助成金の申し込みが締め切られます。
- 他の助成金を支給されている場合には、原則として他の助成金を貰うことができません。
- 当然ですが、不正受給は犯罪となりますので、本来受けることのできない助成について、不正行為は止めましょう。
- この助成金は国の制度なので、都道府県労働局に提出した支給申請書、添付書類の写し等は、支給決定されたときから5年間保管してください。
以上が、助成金を貰う上での注意点となります。
助成金を支給してもらうには、様々な条件や注意点がありますので、そのことを意識して申し込みをしましょう。
5.まとめ
以上が、人材確保等支援助成金にある7つのコースの説明と、介護事業者に役立つ介護・保育労働者雇用管理制度助成コースのご紹介でした。
この記事で、介護関係の方はもちろんのこと、他の事業を行っている人にも、人材確保等支援助成金についてある程度理解していただけたと思います。
助成金を支給していただけるまでには、様々な条件などが当然ございますが、これから助成金の申請をしようと思っている方は、是非この記事を参考にしてみてくださいね。