介護事業者の困りごとを解決する『介護コンサルタント』の役目とは?
「介護事業を新規に立ち上げたいけれどなにから手をつけていいかわからない」、「すでに開業しているが、経営み行き詰まっている」というお悩みはありませんか?
そんな閉塞感を打開するため、コンサルタントに入ってもらうというのもひとつの方法です。
この記事では、介護コンサルタントとはどのようなものなのか、ご説明していきます。
あなたの介護施設の助けとなる情報が満載です。
1.介護コンサルタントとは?
介護コンサルタントとは、いったいどのような人たちなのかご説明していきます。
介護事業は、その種類によって基準がさまざまで多くの法律が関わってくるため、なかなか素人が全てを理解するのは難しいでしょう。
そんな複雑な仕組みを理解しながら、運営を続け、資金の調達を考え、従業員や利用者の集客方法で試行錯誤し、各種申請の手続きに頭を悩ませる……
これらのことを全て自力でやっていくのはとてつもない時間と労力がかかるため、至難の技ですよね。
そんなときに相談役として活躍するのが、介護コンサルタントです。
新規事業の立ち上げに対しては発案から開設に至るまで、既存の施設に対しては運営の効率化や利益率の上昇、人材確保など幅広くサポートしてくれます。
介護コンサルタントは、こうした経営改善を目的としたカウンセラーや、アドバイザーといった観点から、経営のプロとして介護分野に特化した知識で介護事業者をサポートしてくれるのです。
2.介護コンサルタントを導入するメリットとは?
介護コンサルタントに入ってもらった場合、介護事業所にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
いろいろとあるのですが、ここではふたつ抜粋してご説明します。
2-1.経営のスペシャリストから具体的なアドバイスがもらえる
まずはひとつ目のメリットから、ご説明していきます。
経営の中でも介護事業に特化した知識を持つスペシャリスト、それが介護コンサルタントです。
素晴らしい理念を掲げて高品質なサービスができていたとしても、待っているだけでは集客はできず、利益も上がりません。
そんな状態が続くと経営が悪化し、スタッフのモチベーションが下がり、利用者も離れていってしまって運営を続けられなくなってしまいます。
そんなとき、理想論ではなく現実的な観点から的確なアドバイスくれるのが介護コンサルタントです。
経営のスペシャリストであり、プロフェッショナルでもあるコンサルタントからアドバイスをもらうことで、 事業の状況を改善させることが可能になります。
2-2.第三者による事業分析で見えてくることがある
次のメリットは、第三者という客観的な視点から分析してもらうことができるということです。
自分が開業した事業所ですからそこにかかる熱量や情熱があって当然ですが、それらの感覚が邪魔をして本来見なければいけない部分を見えなくさせている可能性があります。
そこで活躍するのが介護コンサルタントです。
あくまでも冷静に、現実的にサービスやニーズ分析し、改善点を提示してくれます。
こうした外からの視点は新たな発見となるでしょうし、拒絶せず、いったんはそれを受け入れる努力をしましょう。
3.介護コンサルタントのサービスとは?
介護コンサルタントは新規参入する介護事業者だけでなく、既存の介護事業者に渡るまで幅広い事業者を対象に多種多様なサービスを提供します。
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ここでは、介護コンサルタントのサービスの一例をご紹介しましょう。
3-1.開業、開設支援
介護事業所の新規立ち上げに必要な情報の分析や、経営計画を立案します。
必要な情報とは、地域の競合他社や利用対象者の数、従業員の通勤経路などの市場調査を指し、その上で資金調達や収支の計画を立案するのです。
こうして準備を進めて、申請書類や各種規約の制定のアドバイスを経て、従業員の募集や宣伝などのマーケティングまで、開業に関する幅広いサポートに対応してくれます。
3-2.人材育成支援
介護事業所ではさまざまな資格を有した従業員を雇う必要があるので、既存従業員に対する継続的な研修が必要です。
そのため、介護コンサルタントは法令にしたがって研修マニュアルの作成や各種研修の立案・運営を提供します。
3-3.経営改善
停滞した経営改善を目的として、 業務効率化や経費削減に対する提案を実施します。
同時に各所に対しての営業活動も実施し、稼働率や入居率を上げるための戦略を立案、実行していくことで効果的に経営を改善していくのです。
3-4.実地指導対策サポート
介護事業者に対して自治体などから実地指導監督が訪問し、介護保険法のルールどおり適切に運営されているかをチェックすることで改善勧告や指定取り消しなどの処分が課せられることもあります。
この実地指導の対策サポートも介護コンサルタントの仕事です。
3-5.人材確保・定着
従業員の定着率が低く離職率が高い場合、継続的に採用活動をする必要が発生し、コストがかかってしまうので効率的ではありません。
そこを改善するため、従業員満足度調査を実施して課題解決に向けた提案や新規採用活動を支援します。
3-6.生産性向上
少子高齢化は深刻で、その影響によって従業員が不足し介護報酬がマイナス改定される状況が今後も加速していくことでしょう。
この状況を放置すれば収益は減る一方ですので、業務の効率化や生産性を向上させるために業務内容の棚卸しや手順の可視化などの改善サポートを実施します。
3-7.経営戦略策定
介護報酬が目減りするだけでなく同業者との競争も激化している現状において、戦略を持たずに運営していたのでは事業の継続は難しいでしょう。
こうした激動の時代を生き抜くために、将来をしっかりと見据えた経営戦略が必要です。
介護コンサルタントは、経営改善や事業拡大を目的とした中・長期的な戦略を策定します。
3-8.利用者確保
ただ経営を続けているだけでは利用者は増加しません。
そのため、状況の分析をもとにして事業所のコンセプト策定やプロモーション計画の策定に至るまで、利用者に選んでもらえる魅力溢れる事業所づくりのサポートを実施します。
3-9.コンプライアンス強化
悪意があろうとなかろうと、手違いや知識不足によって不正請求や不適切な運営をしてしまう可能性は誰にでも起こり得ます。
そうした不正に対する行政からの目は年々厳しくなっており、指導や処分は厳格化しているのが現状です。
そのため、コンプライアンスを徹底する仕組みを策定します。
4.介護コンサルタントの料金
ここまでお読みいただき、介護コンサルタントの必要性を感じたとして、次に気になるのがその費用です。
介護コンサルタントのサービスは多種多様で、料金もいろいろあるので一概には言えませんが、ここでは費用の目安をご紹介します。
4-1.パッケージ価格
コンサルティングする内容をひとまとめにしたパッケージとして契約する場合、内容や施設の規模、形態によってさまざまな価格が設定されています。
一例になりますが、基本的なサポート一式にスタッフ研修なども含んだ半年程度の契約で、だいたい1,500万円ほどです。
大規模な事業所で費用捻出も可能である場合、手をかける範囲も広くなりがちなので、個別に頼むにしてもなにを頼んでいいかわからないと思います。
こうしたパッケージ商品がオススメになります。
4-2.個別の価格
小規模の事業所の場合、必要なサービスだけを契約して少しずつ成果を出していくという方法が負担にならないかもしれません。
個別契約の場合の料金の目安をご紹介します。
- 市場調査:5〜30万円
- 収支計画:5〜30万円
- 融資支援:5〜25万円
- マーケティング:150万円(広告媒体や回数によって変動)
- 利用者集客:50万円(広告媒体や回数によって変動)
- 各種申請:15〜75万円
5.介護コンサルタントの選び方とは?
世の中には「コンサルタント」と名乗りながらも自社製品やサービスを売りつけることが目的だったり、長期契約を結んでただのアドバイザーとしての立ち位置であぐらをかいたりする人たちも存在します。
本来「コンサルタント」は、依頼者の困りごとを解決させるための道筋を示し、依頼者がひとりで自走できるようにすることが仕事です。
そのため、いつまでも粘着する理由がなく「顧問契約」の必要性はないのです。
こうした「名ばかりコンサルタント」を避けるにはどうしたらいいのでしょうか。
見極めるポイントをご紹介します。
- 実務経験が豊富
- 提示される内容の理論体系が明確
- 理論だけでなく実践や知識、知恵が常に最先端
- 現場の従業員からの反発が出なさそうな人柄
- 精神論ではなく、具体的な仕組みが提案可能
この辺りがポイントです。
そのため、最初にたくさん相談して人となり、方針などを見極めるようにしてください。
その上で、コンサルティングの顧問契約が可能なのかを確認してみましょう。
先ほどお伝えしたように、本来短期的な関係で済むはずなので、顧問のような継続契約は不要なはずです。
そのため「御社だけでこの仕組みが回せるようになれば顧問契約は不要です。しかし必要に応じて、いつでもお気軽にご相談ください。」という回答をくれるコンサルタントは、「コンサルタントがなんたるか」を理解していると言えます。
しかし、コンサルティングを継続的なアドバイザーと理解している場合は、顧問契約を狙っているため「継続的な支援が効果的ですので、顧問契約がオススメです。」という回答になるはずです。
実際、顧問契約で継続的にコンサルタントを実施し、お互いに成長を感じるのであれば、必ずしもNGではありませんが、「コンサルタント」の意味を理解した上で契約するようにしてください。
まとめ
介護事業を長く経営していくために、プロの手を借りることは悪いことではありません。
独学でどうにかしようとした結果、利用者や従業員に不遇な対応を続けることは本末転です。
適宜、必要な相談を実施して事業を改善し、みんなに喜ばれる介護施設が長く経営していけることを願っています。